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ロイエンタールとミッターマイヤーの友情

帝国キャラ編

ラインハルトとキルイアイス以外に帝国軍の将星の中で堅く友情で結ばれているのが、ロイエンタールとミッターマイヤーである。

二人はいろいろな意味で対照的だ。彼らはなぜウマがあうのだろうか。

確かに、比類なき勇気と知性、精神の品格の高さなど、両者の人格の基調をなす部分は共通している。だが、こと女性との付き合い方や生い立ちなどに関しては、まったく正反対である。この私生活面における、磁石の両極のような凹凸さが、あんがい両者が魅かれ合う理由なのかもしれない。

もっとも、「彼(ロイエンタール)の顔に拳をたたきこむことに成功した人間は、ウォルフガング・ミッターマイヤーだけである」(第9巻)ことから、ふたりも時にはケンカをしたようだ。私的な戦闘において比類ないほどの武勇伝(*1)を誇るロイエンタールの顔に一発を食らわせたということは、ミッターマイヤーも相当腕っ節が強いらしい。

ロイエンタールの場合、「ほとんど例外なく、女性の方から彼に接近し、一方的な思慕の末に一方的に捨てられる」(第7巻)という「漁色家」であると同時に、幼児体験から女性に対する不信感を拭えないでいる。前述のように、彼の家庭環境は最悪だった。

一方のミッターマイヤーの場合、温かく精神的に恵まれた家庭に育ち、エヴァンゼリンという、可隣で優しい天使のような女性が天から降って湧いてきた。

以来、彼はエヴァンゼリン一筋である。

この対象的な私生活の二人が友誼を結んだきっかけは、尉官時代にイゼルローン要塞を騒がせた事件(*2)の時だったという。

以来、彼らは戦場で行動をともにするようになった。

また「軍部としても、ふたりの共同作戦が、他の場合に類を見ないほど高い成功率をおさめることを知ると、人的資源の有効利用の上からも、彼らを組ませて戦わせるようになった」(外伝1巻)という。

このように戦場で生死をともにしてきた男同士の友情というのは格別のものだろう。

そして、彼らは、ラインハルトという、仕えるに値する主君に出会い、共に忠誠を誓い、強大な旧体制の打倒という目標を共有してきた。

また、彼らはしばしば酒を酌み交わし、オーベルシュタインを共通の敵役として談議の肴にして(笑)、共に新王朝の双璧として元帥の地位にまで登り詰めた。

まさにこの二人こそ、友情が比類ない形で実を結んだ実例であろう。

そして、ふたりは自らの生死すらも、自分たちで決着をつけた。

ミッターマイヤーは、宇宙艦隊司令長官として、新王朝に反旗をひるがえしたロイエンタールを討伐する役目を引き受けた。

彼にとって、反逆者となった友を討つのは、自分の責任なのだ。

「ふたりで宇宙を分割支配するのも悪くない」などと言う「血の色をした夢」に酔った親友は、自分の手で屠らねばならなかった。

また、カイザーを「部下の粛清者」にしてはならなかった。自分があくまで敵役とならなければならなかった。ミッターマイヤーにとって、それは限りなく辛い役割であろう。そして、ロイエタールは破れ、ミッターマイヤーはその親友の死を見取ってやった。

ミッターマイヤーが新首都星フェザーンへの帰路でみせたものは、かつて誰も見たことのない涙であった(*3)。これほど重い友情が他にあるだろうか。

(*1)ロイエンタールは、士官学校を卒業して13年間に「30回にわたって私的決闘をおこなった」(第9巻)という。1日で3度の決闘を行ったこともあるが、「彼は三度勝ち、三人の重傷者を病院へ送りこんだ」(外伝1巻)そうだ。

(*2)「これは『後フェザーン』で働いていた女が客のひとりを射殺したことからはじまって、一週間ほど全要塞を騒然とさせたが、真相は憲兵隊の資料室に封印されている」(外伝1巻)

(*3)「ウォルフ・デア・シュトルムが泣いているぜ」(OVA98話バイエルライン談)

ラインハルトと帝国軍の諸将たち――名提督列伝

帝国キャラ編目次 http://anime-gineiden.com/page-63

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