【銀英伝】ジェシカの死――スタジアムの虐殺【歴史ネタ】

さて、この内戦の最中、「ヴェスターラントの虐殺」ほどではないにしても、自由惑星同盟でもひとつの悲劇が生じている。 宇宙暦797年、ハイネセンスタジアムで救国軍事会議に反対する市民集会が開かれた。主催者は代議員ジェシカ・エドワーズ。 だが、ク ...
【銀英伝】ヤン VS 救国軍事会議【自由惑星同盟内戦の歴史ネタ 後編】

また、日本でも、同じ1936年に陸軍の青年将校らによるクーデター(*4)が発生し、首相官邸や警視庁などが襲撃されたが、誰の支持もえられずに失敗に終わっている。 そもそも、クーデターによる政権というのは、世界的にみて珍しくない。 たとえば韓国 ...
【銀英伝】ヤン VS 救国軍事会議【自由惑星同盟内戦の歴史ネタ 前編】

さて、ラインハルトは、心置きなく貴族連合軍と戦うために、自由惑星同盟という「後顧の憂い」を断つ必要があった。 そこで彼が打った手が、帝国の捕虜となっていたリンチ少将を同盟に送り込んで、クーデターを使唆し、内部分裂させるというものであった。 ...
【銀英伝】ヴェスターラントの虐殺【歴史ネタ】

リップシュタット戦役の最中、ヴェスターラントを統治していたブラウンシュヴァイク公の甥シャイド男爵が、民衆の反乱によって殺された。公爵は怒り狂った。 「賤民どもが! よくも我が甥を殺してくれたな! 我が領土に生きる恩を忘れよって! 恩知らずな ...
【銀英伝】ラインハルト VS 門閥貴族【銀河帝国内戦の歴史ネタ】

侵攻して来る同盟軍を完膚なさまでに叩きのめしたラインハルトを待っていたのは、皇帝フリードリヒ4世崩御の知らせだった。 外戚の専横を許したくないリヒテンラーデ侯爵は、ラインハルトと枢軸関係を結び、自己の権力基盤を強化。自身は新たに公爵に、また ...
【銀英伝】大義を掲げての無謀な帝国領侵攻【後編 歴史ネタ】

そういえば、第二次大戦中の日本帝国もまた「アジアの解放」という「大義名分」を掲げて、東南アジアの欧米植民地に侵攻したことがある。 大東亜戦争に関しては、複雑で多角的な評価が必要であり、そういう解放としての側面がまったく無かったわけではない。 ...
【銀英伝】大義を掲げての無謀な帝国領侵攻【前編 歴史ネタ】

イゼルローン要塞を陥落させたヤンは、同盟政府が銀河帝国と講和し、つかの間の平和が宇宙に訪れることを望んでいた。 だが、彼の願いとは裏腹に、事態は最悪の方向へと進んでいく。 「イゼルローン要塞の無血占領という甘美な麻薬は、自由惑星同盟の国民の ...
【銀英伝】イゼルローン要塞の攻略【歴史ネタ】

宇宙暦796年、帝国暦487年、アスターテ会戦での同盟軍の崩壊をくい止めたヤン・ウェンリーは、その功績により第13艦隊の司令官に任ぜられる。 と同時に、ヤンは最初の任務としてイゼルローン要塞の攻略を命ぜられた。 ヤンは艦艇ヒューペリオンで並 ...
【銀英伝】永遠のライバル――ラインハルトとヤン・ウェンリー【歴史ネタ】

銀河帝国と自由惑星同盟との情性的な戦争が1世紀半も続き、双方が国家としての末期症状を呈しはじめた頃、歴史を大きく動かす2人の英雄が出現する。 一人は、腐敗しきったゴールデンバウム王朝を打倒し、大貴族たちが民衆を搾取して不当に特権を貪る社会を ...
【銀英伝】自由惑星同盟の末期症状【歴史ネタ】

『銀英伝』の本伝がスタートするのは、宇宙暦796年、帝国暦487年のアスターテ星域会戦の時である。 銀河帝国は5世紀弱、自由惑星同盟は2世紀半あまり、それぞれ建国から経過していた。すでに双方とも国家として末期症状の様相を呈していた。 「宮廷 ...
【銀英伝】地球教【後編 歴史ネタ】

さて、ヨーロッパは、ローマ・カトリック教会による民衆への教化がすすむにつれ、完全なキリスト教文明圏と化していった。 封建体制の中で教会と世俗権力の一体化もすすみ、農民や平民を搾取して財産を増やしていった。 教皇は絶大な権勢を誇った。なにしろ ...
【銀英伝】地球教【前編 歴史ネタ】

さて、地球に対し面従腹背でのぞんでいるルビンスキーの思惑はともかく、フェザーンの真の目的は、地球による全宇宙の支配である。 つまり、表の顔は商業国家だが、裏の顔は「地球教」というわけだ。 銀河帝国と自由惑星同盟という二大国の争いのみならず、 ...
【銀英伝】フェザーン自治領【歴史ネタ】

「奇妙な国であった。正確には、国ですらない。それは銀河帝国皇帝の宗主権のもとで、内政の自治と交易の自由を認められた、特殊な地方行政単位であるにすぎない」(第3巻) 「フェザーンが介在することにより、本来、相手を対等の国家とさえ認めていない帝 ...
【銀英伝】共和制 VS 専制【歴史ネタ】

宇宙暦640年、帝国暦331年、銀河帝国と自由惑星同盟ははじめて接触する。 以後、150年にわたる両勢力の惰性的な戦争のはじまりである。 この専制帝国と民主国家の戦争という図式は、古代において例がある。 今から約2500年前に戦われた「ペル ...
【銀英伝】アーレ・ハイネセンらの長征一万光年【歴史ネタ】

帝国暦164年、アルタイル星系の極寒の惑星で奴隷労働に従事させられていた共和主義者たちが、ドライアイスの宇宙船で脱出に成功した。 帝国軍の追撃をかわして彼らが新天地を発見したのは、帝国暦218年。 「半世紀以上の歳月と半数以上の犠牲を必要と ...
【銀英伝】銀河帝国のツァーリズム【歴史ネタ】

では銀河帝国の専制体制そのものは、どこの国に類似しているのだろうか? これについては、すでに作者である田中芳樹氏が「ロシアをイメージした」という趣旨のことをおっしゃっている。 たしかにイギリスやフランスは、歴史的にみれば封建社会であって、王 ...